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従業員満足度が向上すれば業績が上がる?

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従業員満足度が向上しても業績が上がるとは限りません。なぜなら従業員満足度と業績に関係がないからです。でも、従業員のモチベーションや主体性や幸福度と業績は関係あって、従業員のモチベーションや主体性や幸福度が向上すると業績も向上します。今回投稿は、間違いだらけの従業員満足度調査についてです。

 

従業員満足度調査なんてやらなきゃいいのに〜

従業員満足度調査というのがあります。

みなさんの会社や組織でもやったことがありますか?

従業員満足度は、Employee Satisfaction(ES)とも言われ、「従業員の会社に対する満足度」を表します。

「働き方改革」とか世間が騒がしいので、うちも従業員満足度調査でもして、もし従業員満足度が低ければなんとかせねば!

と考えている人が多いと思います。

しかし、従業員満足度と業績との因果関係はあまりないと言われています。

要するに、従業員満足度を向上させたからと言って業績が向上するわけではないのです。

満足するというのは、色々な価値観があるのが曲者です。

  • 報酬が高ければ満足
  • 福利厚生が充実していると満足
  • 正当な評価がされていれば満足
  • チームメンバーがいい人が多ければ満足
  • 仕事が面白いので満足
  • カフェテリアがあるので満足
  • 社員旅行があるので満足
  • 褒賞旅行が海外なので満足
  • 社内恋愛がしやすいので満足
  • 都内のおしゃれなオフィスだから満足
  • 会社のブランドがかっこいいから満足
  • 誕生日にケーキが振舞われて楽しい雰囲気だから満足
  • テレビ広告も多い有名な会社だから満足
  • などなど・・・・

人の価値観は様々なので、これらの要素があるので満足だという人がいるのは事実ですが、

例えば、

  • 仕事にやりがいがあるから満足しているわけでもない(評価方法が不満)
  • 福利厚生が充実しているから満足というわけでもない(報酬が不満)
  • カフェテリアがあるので満足というわけでもない(残業が多いので不満)
  • 社員旅行があるので満足というわけでもない(仕事自体が面白くない)

ということがあります。

つまり、全ての従業員の満足度を向上させることは難しいのです。

しかも、従業員満足度を向上させたからと言って業績が向上するわけではないのです。

それでも、従業員満足度調査をしたい?(笑)

 

従業員満足度調査がダメだと思う3つのこと

(1)回答者は、正直に答えているようで嘘をつく

例えば、「あなたは同僚をヘルプしていますか?」という質問の時に、

  • 本当はヘルプしているのに謙遜するタイプなので「していない」と答えます。
  • 本当はヘルプしていないのに勘違いするタイプなので「している」と答えます。

こうなると、正しい結果になりません。

いやいや、こういうテストは、このようなことにならないように、逆質問したり、統計的な処理をしてるので、大丈夫でしょ!って思いますよね?

だけど、このように答える人は、別に嘘をついているわけではないのです。

心の底からそう思っているのです。

「正しく、いつも通りに、素直に答えてください」と言っても、そもそも難しいのです。

なので、余程慎重に質問を設計しなければ、正しい結果は出ません。

もし、従業員満足度調査をするのであれば、予め質問項目をよく吟味して、回答者の特性によって回答に偏りが無いように慎重に検討する必要があります。

 

(2)解決策がない調査をしない

社内で開発した従業員満足度調査であればまだしも、社外に頼む時に、もしかすると、とっても大きな問題に発展することに繋がってしまうことが懸念される項目があります。

そんな時に、質問項目から外して、その問題には触れないようにしようとすることがたまにあります。

それは、正しい調査どころか、経営者やリーダーに忖度して「臭そうなものには蓋をする」と同じようなものなので、調査することに殆ど意味はありません。

また、

調査結果を受けて「で、どうするの?」という展開が最悪です。

従業員満足度調査でもマーケティング調査でも、調査をする前には「何かしらの仮説」が必要です。

「カフェテリアがあったほうがいいですか?」という質問をして、

95%の人が「あった方が良い」と答えてことがわかったのに、

カフェテリアを設置する場所もなければ予算も無いのであれば、

「なんでそれを聞いたんだ?」

となります。

「従業員は、売上目標や担当地域などを会社が決めているから不満なので、やる気が無くなってしまうのでは無いか?」

という仮説が必要です。

このような仮説を現状仮説と言います。

で、

「従業員が、自分で売上目標や担当地域などを決められるようにしたらやる気が出るのではないか?」

という仮説が必要です。

このような仮説を戦略仮説と言います。


従業員が、自分で売上目標や担当地域などを決められるようにしたら、

売上高が会社の目標と乖離してしまうのでは?

とか

人気地域に偏ってしまうのではないか?

ということになります。

このようなことに解決策がなければ、

「売上目標や担当地域などを自分で決められることをどう思いますか?」

と質問しても意味が無いということです。

 

(3)調査自体が目的にならないようにする

従業員満足度調査をして、調査結果に基づいて施策が実施され、組織が改善して、従業員満足度が向上したという話をあまり聞きません。

それはなぜでしょうか?

いくつか原因はあると思いますが、代表的なものを3つ。

(1) 調査結果が共有されない

調査結果が、経営陣や人事部や総務部、経営企画部にのみ配布されて、従業員全員に調査結果が共有されないのはよろしくないです。

まず、共有されなければ、経営陣や人事部や総務部、経営企画部にとって不都合な長さ結果になったのではないかといらぬ疑念を抱かせてしまいます。

また、経営陣や人事部や総務部、経営企画部には分析結果を全て報告されるのに、従業員全員にはサマリーが配布されるようなこともあります。

これも、従業員からすれば、1時間もかけて質問に答えたのに、質問の数だけ円グラフや棒グラフがあるだけで、「ふーん」で終わってしまいます。

調査結果を従業員全員に共有できないようなものであれば、そもそも調査はやめた方が良いということです。

(2) 課題を顕在化しない

調査することが目的化してしまい、従業員や組織の潜在的な課題を顕在化しないというのもよろしくないですね。

年に一度の調査をして、概ね問題がなければ、それでいいというのであれば、調査自体をする必要がないですし、そもそも「概ね問題がない」という結果が出たということは、調査方法が良くなかったと言わざるを得ません。

顕在化されているのか、潜在的な課題なのかわかりませんが、何かしらの課題を見える化するのが調査の目的です。

当たり障りがなくて、概ね良いと思われる回答ばかりの調査だったら、やらない方がマシです。時間の無駄!

従業員が質問に答える時間を他の仕事に回した方が良いですね。

余談ですが、調査の途中や最後に自由回答ができるスペースを設けることがあります。

そのような自由回答に、意外と辛辣な意見が書かれていたりしますが、「まあ、個人的な意見だし」で終わらせてしまってはいけないです。

当然ですが・・・。

さらに、「全くそう思わない〜とてもそう思う」というような選択式では無く、自由回答を多くしているにも関わらず、自由回答がテキスト化されて、サマリーされているという調査では殆ど無意味です。

自由記述の内容から本質的な問題や根源的な問題を抽出する必要があります。

選択式にしろ自由記述にしろ従業員満足度や仕事の環境、職場の環境について顕在化させることが調査の目的なので、詳細な調査設計をしましょう。

(3) 改善施策がよろしくない

従業員満足度調査をしても、調査結果に基づいて改善施策をしなければ調査をした意味がありません。

でもって、改善施策は誰が立案して誰が実行するのか?

  • 経営者
  • 経営幹部や事業部長レベル
  • 現場のリーダー
  • 従業員

改善施策によって誰が立案するのか、誰が実行するのか様々だとは思いますが、重要なポイントは、

  • 改善が自分ごとなのか?
  • 改善が他人ごとなのか?

ということです。

当然ながら、誰がやろうと、改善が他人ごとだと改善施策はうまくいきません。

僕が思うに、どうしたら良いのかという想いやアイデアは経営者や経営幹部や事業部長レベルからもたらされるべきだと思いますが、実行するのは、できれば経営者や経営幹部や事業部長レベルも含めて従業員全員で実行できるような施策が良いと思います。

従業員全員が主体的に取り組まなければ、改善施策はうまくいきません。

でも、そんな簡単に従業員全員が主体的に取り組まないよな〜。

ですよね・・・。

従業員全員が主体的に取り組むためには、従業員エンゲージメントという新しい概念が必要です。

従業員エンゲージメントは調査することもできます。

従業員エンゲージメントが向上すると業績向上につながります。

そんな従業員エンゲージメントについては・・・・

それは、またの投稿で!

今回のポイント

従業員満足度が向上しても業績は上がるとは限りません。
従業員満足度調査を無駄にしないために気をつけることは、
(1)回答者は、正直に答えているようでそうでもない
(2)解決策がない調査をしない
(3)調査自体が目的にならないようにする

 

 


ここまで読んでくれてサンクイット!!!

サンクイットは、ポストイットからインスパイアされた造語です。ポストイットは「それを貼る」という意味合いなので、サンクイットは「それに感謝する」という意味です。ポストイットのように、相手の心に感謝を貼ろうという意味もあります。


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